
<田園のケーススタディハウス>

ニュートラルな性格の玄関 2階寝室方向を見る
まずはお気軽にお電話ください!TEL:0476-28-8719(受付:月〜金10時〜18時)
概要
所在地 千葉県山武市
設計 青戸信雄建築研究所
施工 金親建設
延床面積 102.43u
構造 木造軸組 2階建て
受賞
トステム設計コンテスト
サッシ部門 佳作
玄関ドア部門 佳作

外観 外壁は漆喰とガルバリウムサイディング、軒は杉野字板表し
この住宅は、50代を迎え、これからのライフスタイルにあった住まいを追及するご夫妻と、そのご両親のための田園住宅です。
約500坪の大きな敷地は、南側前面にお母様の畑を望み、西側に作業場を兼ねたご両親の家屋、周囲は美しい林に囲まれた、典型的な房総ののどかな風景を醸しています。この風景に調和しながら、新しい生活の躍動感を感じられるよう計画を進めました。
元大工の父上が自ら手掛けた、既存家屋の一部を記憶として残し、そこに寄り添う形で新しい住空間を配置しました。
間口4間×奥行3.5間、2層の大きなワンボックスの住居棟に、既存家屋との連結空間として、1間×4.5間の細長いキューブの玄関棟を並べる計画としました。
構成は、房総民家の「田の字」プランを現代的に解釈し、「田園のケーススタディハウス」を目指しました。
住居棟は、吹抜けを中心とした大きなワンルーム空間で、2間分引き込みの全開サッシを2層分使用することで、南面の大開口を実現。デッキと一続きの空間性を持たせ、畑のある南側オープンスペースに向かって開放させました。また、2階寝室の独立性を確保するため、可動間仕切りを設け、開放と分節のメリハリをつけました。
軒は前面に1間分張り出し、民家の深い軒の出をイメージさせ、夏涼しく冬暖かいパッシブソーラー的機能を加味しました。また、野地板に無垢の杉厚板を使うことで、天井仕上げの手間を省き、現しの力強い木組み空間を表現しました。
外壁は、南東面は漆喰塗り、湿気の多い北西面は、対候性の強いガルバリウムサイディングとしました。また、屋根は遮熱ガルバリウム鋼板仕上げ、軒は杉野地板現しとし、全体としてモノトーンを基調に、素材本来の色彩でシックにまとめました。
内壁は漆喰、床は桧材の無垢板張りとし、白壁と木をバランスよく配置しました。
玄関棟は、壁・天井とも漆喰でまとめ、既存部分との緩衝空間としてニュートラルな性格を持たせました。
外壁は、ガルバリウムサイディングとし、住居棟との構成を明確にしました。
工事は、以前に既存棟を手掛けた、同じ集落の大工さんにお願いしました。
今回は、組織化されていない地元の職人さんたちの仕事の進め方に合わせ、詳細図は大まかな押さえにとどめ、現場での話し合いで進めていきました。
いつもの緻密なディテールとは違った、やわらかい温かみのある住まいに仕上がったと思っています。
<構成図>